新築注文住宅の引き渡し前に「施主検査」があります。その際に正しくチェックしておかないと、不備があっても住宅工事が問題なく完了したことを認めた事になってしまう可能性もあります。自分が施主検査する際に、漏れなく施主検査するために作成したチェックリストを公開しておきます。ご参考になれば幸いです。
新築施主検査のチェックリスト
まず、施主検査のチェックリストを見てチェックする前に、家の全体を写真にて大雑把に撮影しながら違和感は無いかチェックすることをお勧めします。第一印象で全体を見て違和感があれば何かがおかしいと疑う事です。なぜなら、人間の感覚は意外と鋭いからです。違和感を感じたら何かあるのが普通です。
また、チェック方法として「図面通り作られているか確認する人」と「傷・汚れなどを確認する人」と手分けするのも良い方法です。見える場所だけではなく、のぞかないと見えない場所などもチェックすることをお勧めします。
新築施主検査の持ち物リスト
新築施主検査時の持ち物リストについては別ページでまとめています。
床下のチェック
まずは、見えない場所から確認しておきます。見えない場所まで綺麗にされているかどうかで施工会社の姿勢が分かります。
基礎にクラックは無いか?
新築から基礎にクラックがあったらヤバいです。最も重要な基礎なので最初に良く見ておきます。
床下は綺麗か?
砂埃など溜まっていないか?工具類の忘れ物などは無いか?ごみなど放置されていないか?
床下断熱材にズレは無いか?
床下断熱材に隙間は無いか?
鋼製束は適切か?
緩んでいたりしないか触って確かめます。
配管穴に隙間は無いか?
スリーブ配管などの隙間が無いようにシーリング材で埋められているか確認します。また配管勾配が取れているか確認します。
排水管に漏れは無いか?
排水管は正しく接続されているか目視して、上で水を流してもらって漏れが無いか確認します。異音など無いかにも注意します。
クモ・ゴキブリなど虫はいないか?
クモ・ゴキブリくらいなら可愛いもので、新築からシロアリがいたらヤバいので見ておきます。
屋根裏のチェック
屋根裏点検口から屋根裏に上ります。屋根裏も見えない場所なので施工会社の姿勢が分かります。
屋根裏の断熱材に隙間は無いか?
断熱欠損に注意します。特にグラスウールでの施工の場合にはズレなどの注意が必要です。
雨漏りなどはしていないか?
新築から雨漏りしていたら、かなりヤバいです。
電気配線は適切か?
屋根裏の電気配線を見ておきます。綺麗に出来ていれば信用度が高い施工かと。屋根裏に工具を置き忘れていないか?など無いかもチェックしておきます。
室内建具
見えない場所が終わったら順次見える場所をチェックしていきます。まずは分かり易い建具からです。開いたらぶつかる箇所など無いかもチェックします。
建具の色・形状は正しいか?
色が違っていたなど良くある話です。
引き出し・扉の開け閉めに問題は無いか?
実際に動作確認してスムーズに動くかどうか、開く個所は全て開いて確認します。施錠できる物は実際に施錠してみて開かなくなるか確認します。
建具に傷など無いか?
建具のそり、隙間や傷など無いか確認します。収納棚など酷いと釘が出ていたりする場合もあるので注意が必要です。
ドアの戸当りはあるか?
図面通り戸当りが設置されているか確認します。
外部建具
外部建具(ガラス・玄関扉・勝手口)については内側と外側両方から確認します。開けるものは開いて、施錠や開閉などスムーズにできるか確認します。
外部建具の開け閉めに問題は無いか?
窓、網戸、雨戸、扉など開け閉めして建付けに問題ないか確認します。扉など開いた時に他の物に干渉しないか確認します。施錠できるものは実際に施錠もできるか確認します。
サッシに汚れや傷は無いか?
取付ネジの付け忘れなど無いかも見ておきます。
網戸にたるみは無いか?
網戸にたるみがあって虫が入ってこれるように取付になっていた事例などあります。
コーキング忘れなど無いか?
外部のコーキング欠損などあれば雨漏りの原因となるので注意してみておきます。
室内仕上げ
クロス、タイル、エコカラットなど注文通りの施工がされているか等、図面通りの施工が出来ているかどうかは最低限確認必要です。
クロス(壁紙)に汚れは無いか?
木造の在来工法であれば、新築間もない家は動くのでクロスにゆがみが多少できるのは仕方がありません。あまりに酷くないか確認します。「汚れ」は指摘事項です。
フローリング・畳・クッションフロアなど床は綺麗か?
傷、ささくれ、汚れ、凹みなど目視するのは当然で、実際に歩いて異音などしないか確認します。手で触ってみると良いです。
巾木・廻り縁・窓枠は適切か?
傷は無いか?浮いていたりしないか確認します。
24時間換気の吸気口の固定は?
固定状況を見ておきます。取付が甘く、ポロリと落ちてしまうことが結構あるようです。
玄関タイルに浮きは無いか?
玄関タイルに浮きが無いか何か叩く物など軽く叩いて音の変化で確認します。間違っても強く叩いて傷をつけないようにしましょう。
室外仕上げ
外部仕上げの仕様が図面通りか確認するとこから入って細かく見ていきます。特に雨漏りに直結するような施工確認には注意が必要です。
シーリング(コーキング)は適切か?
隙間は無いか?施工忘れは無いか?厚みは十分か?
外壁に傷や目立った汚れは無いか?
浮き、欠け、クラックなど無いか確認します。サイディングをくぎ打ちしている箇所など注意して見ておきます。後々、膨張と収縮を繰り返すことによってサイディングが割れる原因となります。
バルコニー防水は適切か?
バルコニーの防水工事に問題ないか確認します。割れなどあれば必ず修繕が必要です。排水状況についても水を流して確認しておきます。
軒・庇・雨樋・破風板は適切か?
しっかり固定されているか、傷など無いか、ズレは無いか、サイズは正しいか確認します。
床タイル・モルタルは適切か?
割れ、汚れ、ズレなど無いか確認します。
電気設備
電気は目で見ることができないので、照明などすべてオン・オフしてみます。また、デジタルテスターなどを使って確認します。
コンセントの位置は正しいか?
コンセント位置が図面通りになっていないなど多い間違いです。シッカリと取付られているか確認します。
スイッチ位置は適切か?
スイッチ位置の確認と、ON・OFFの動作確認をします。
24時間換気の換気扇は正常動作するか?
換気扇の動作確認と音がおかしく無いか確認します。
照明の動作確認
ON・OFFして確認します。センサーライトなども正常に動作するか確認します。
住宅設備
トイレ・お風呂、洗面所は適切か?
排水に漏れは無いか?水は流れるか?漏れは無いか?シッカリ固定されているか?異音はしないか?実際に何度も動作させて確認します。
キッチンに傷は無いか?
キッチンシンクに傷・汚れは無いか?コーキング施工忘れは無いか?
給湯器の設置状況は?
エコジョーズやエコキュートなどの給湯器設備の固定状況や異音が無いかなど、実際に動作確認します。エコキュート下はコンクリートで固められているか?はみ出て無いか?
物干しの取付は適切か?
「干し姫さま」「PID4M」「ホススクリーン」など取付にガタつきは無いか確認します。
その他
開けるものは全て開いて、動かせるものは動かしてチェックします。
電気・ガス・水道メーターの取付は適切か?
電気・ガス・水道メーターの取付は正しくされているか?稀に取付不良、取付忘れなどあるようです。
外部水栓は動作するか?
蛇口をひねって水を実際に出してみて、水量・異音は無いかなど確認します。水道蛇口がガタつかないかも何度か動作させて確認します。
完成検査書の承認
全てのチェックが完了してから「完成検査書」に「施主による建物完成の承認」を行うようにします。この書類に署名又は押印することで建物完成を認めた事になります。
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