新築時に設計によって固定資産税を安くすることが可能です。それで、固定資産税を安くする方法を探して、総務省が出している「固定資産税評価基準」のPDFデータを読んでいて疑問が出てきたので調べた内容をブログにまとめておきます。ただ、固定資産税は地域によって判断が異なるので、最終的には市町村の固定資産税課に確認されることをお勧めします。
固定資産税評価基準は分かりにくい
ダウンロードした固定資産税評価基準を読んでいると、外壁が「サイディング」だと評点が4950で「外装タイル」だと9790と「外装タイル」の方が評点が高い。など評価点が書かれています。そのあたりは読んでいても分かります。
しかし、「畳」上が9230で並が6860とかだとか、何をもって「上」と判定しているのかさっぱり分かりません。
照明をダウンライトにして個数が多くなると固定資産税は高くなる?
自分が疑問に思ったのは、照明の数が増えると固定資産税も高くなるのか?という事でした。だったらダウンライトなんてなくしてシーリングライトでいいと思った訳です。市役所の固定資産税課に電話確認してみたところ、私の地域ではライトの個数で固定資産税が高くなることは無いとの回答頂けました。
建物の固定資産評価額は覆らない
固定資産税について調べた所、市区町村によって判断が異なる場合もあるようで口コミもまちまちです。固定資産税の評価については、地域差があるようです。分かったのは、地域差があるとは言え、いったん建物の固定資産評価額が決められたら、そうそう覆らないという事です。
固定資産税は地域差があるので役所に直接聞く
総務省が出している「固定資産税評価」をいくら読んでも埒が明かないので、市役所の固定資産税課に電話して聞いてた内容は下記になります。
「新築を予定していまして、現在設計打合せ中なのですが、照明の個数で固定資産税に影響があるのか知りたいのです。教えて頂くことはできますでしょうか?」と聞いてみたら、親切・丁寧に教えて頂けました。
私の地域の場合だと、個数によって評点が決まると言うよりは、部屋の広さや形状によって一般的にどれくらいの照明を使うのが相当かといった判断で、評点が決まってくるとのことでした。
総務省が出している「固定資産税評価」を見て疑問に思う点は役所に確認しましょう。役所も論点が分かっている人に教える分には丁寧に教えて下さるようすです。最低限の論点は把握して問い合わせすることをお勧めします。
「もう、何か分からんけどどうしたら固定資産税安くなるの?」みたいな聞き方はよした方が無難です。聞かれた側も困るのが目に見えています。
できたら、直接市役所に伺って聞ければ相手も人間なので、より丁寧に対応して頂ける可能性が高まります。
「漆喰の壁」「ウッドデッキ」「無垢床」「コンセントの数」「浴槽」「浴室乾燥機」「エコカラット」「天井埋設エアコン」「大理石」などのオプションを付けるかどうか?によって固定資産税は変わってきます。調べた内容を下記記事にまとめておきます。
床暖房は固定資産税が高くなる?
床暖房は固定資産税が高くなります。実際にどれくらい高くなるか試算しているサイトがありましたのでリンクを貼っておきます。結論だけ書いておきますと、1坪分の床暖房あたりで年間固定資産税「温水式」なら577円、「電気式」なら1,155円です。
床暖房は空気が乾燥しないし、足元が暖かく頭寒足熱に適合していて過ごしやすく快適です。また、吹き抜けをつけるとエアコンが効きにくくなることを考えると、吹き抜けの家には是非欲しい設備です。
しかし、故障すれば修理費用は高額です。また、気密性能と断熱性能の優れた家で、余程寒い地方でなければエアコンが最もコスパが良いです。床暖房を付けてもコスト面から使わなくなることが予想されるなら止めておいた方が無難です。無駄に固定資産税課を支払い続けることになりかねません。
無垢の床板は固定資産税は高くなる?
基本的に無垢の床板は固定資産税が高くなります。固定資産税が高くなるだけでなく、傷がつきやすいのと無垢の床板自体が高いとう特調があります。その代わりオシャレで高級感があります。
※基本的にと書いたのは地域によっては無垢の床板の固定資産税評価点がフロアクッションと同じ場合もあるからです。
漆喰塗りの壁は固定資産税が高くなる?
漆喰の塗り壁は固定資産税が高くなります。漆喰は湿気を吸ってくれるという話もありますが。昔は土壁に漆喰を塗っていたから湿気を吸収してくれていたが、今は石膏ボードに塗るので水分吸収効果はほとんど期待できないという説もあります。
ただ、抗菌作用は優れています。強アルカリ性のためダニやカビが生きられないためです。焼いた石灰石の粉を水につけるとPH(ペーハー)13になるのですが、カビやダニが生きられるのはPH11までです。
「漆喰うま~くヌレール」という自分で漆喰塗りをするセットも販売されているので、固定資産税の家屋調査後に自分で塗るという方法もあります。
天井の高さが2400を超えると固定資産税が高くなる?
天井高の補正項目として天井高があります。2.4m程度までが標準で1.0、2.7m程度なら1.2となります。吹き抜けなどにすると2.7mよりも高い天井高となるので、固定資産税がより高くなります。それでも、一部分のみ吹き抜けにするだけなら面積が小さいのでそれほど固定資産税に影響してこないので、それほど気にする事もありません。
物置があると固定資産税は高くなる?
「外気分断性」「土地定着性」「用途性」の3つの要件を備える物置は、固定資産税の対象となり固定資産税が高くなります。四隅にブロックを置き、その上に物置を置く方法であれば、土地定着性が無いとみられ固定資産税は高くなりません。
ただ、地震でずり落ちたり、台風で吹き飛ばされたりする危険性があります。あまり固定資産税に執着せずに、きっちり固定させた方が安全です。
市町村の固定資産税のための家屋調査が終わってから物置を設置するという手段もありますが、調査後に再度調査にみえる市町村もあるそうです。追徴課税対象になるといけないので小細工はしない方が安全です。
カーポートで固定資産税は高くなるのか?
屋根があり3面以上壁があると固定資産税の対象となります。(外気分断性)一般的なカーポートであれば3面壁が無い構造物であるため、固定資産税はかかりません。
瓦屋根は固定資産税が高くなる?
「瓦屋根」は「ガルバニウム鋼板」の屋根と比べて固定資産税は高くなります。「太陽光パネルと屋根が一体になった物」だと「建材型ソーラーパネル」に該当して最も高くなります。その他、切妻屋根が1.0標準なのに対して片流れ屋根だと0.8と多少安くなります。屋根勾配や軒の出の大小でも変わってきます。
「陸屋根」や「片流れ屋根」の四角くて黒い家が最近の流行りですが、建築費が安いという点のみならず、固定資産税的にも安くなります。ただ、雨漏りリスクは高くなるので、シッカリ施工してくれる会社で建築してもらう必要があります。
窓に雨戸(シャッター)を付けると固定資産税は高くなるか?
雨戸(シャッター)は建具として固定資産税の対象となり高くなります。ただ、雨戸が無いと台風時に飛来物によって、窓ガラスが割れるリスクが残ります。
普段頻繁に開け閉めするのであれば電動シャッターが欲しくなりますが、意外に故障し易いのでコストを考えると手動がお勧めです。また、頻繁に雨戸(シャッター)を開け閉めしていると、雨戸の開け閉めで留守かどうかが分かってしまい、防犯上望ましくありません。雨戸(シャッター)は台風時に使う物と考えた方が無難です。
インターホンで固定資産税は高くなるか?
高くなりますが、インターホン自体そこまで高額な物でも無いので固定資産税のために取りつけるのを止めることも無いと判断します。
トイレを2個にすると固定資産税は高くなるか?
トイレの個数を増やすと固定資産税は高くなります。しかし、利便性を考えて個数を決めた方が現実的です。トイレにこもる人がいる場合や、来客用に必要であったり、介護のことを考えて設置するなど検討が必要です。
トイレの個数を増やすと掃除する手間も増えるので、その点注意が必要です。2階トイレは実際住んでみたら必要無かったという声をよく聞きます。
固定資産税縦覧制度
毎年4月1日から4月30日までの30日間に限って、自分の所有する試算の同一区に限って、固定資産税課税台帳を閲覧することができる制度があります。
ただし、他の家々の固定資産税より自分の家の固定資産税が高い!不服だ!と言って訴えたとしても、そうそう覆ることはありません。
新築時の設計打合せ時に固定資産税のこともある程度は顧慮しておくと後々後悔がありません。何も知らずに固定資産税の通知が届いてからこんなはずじゃなかったということの無いようにしましょう。
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